18の僕から
僕は部屋が汚い。
脱いだ服は脱ぎっぱなし、飲みかけのペットボトル飲料、懐かしくなって読み返した漫画、教科書云々。。
そして一番厄介なのが押入れだ。
今まで片付けるのが面倒になった時、ええいここに放り込んでしまえ〜と都合よく使って来て閉まったがゆえ、恐ろしくて今では開けられなかった。
昨日、用事があったが寝坊してしまい日中何もすることがなくなった。何をしようかと思っていた時、
「あんた部屋が汚い。時間あるうちに片付けなさい。押入れも全部。」
という我が家の最終決定機関、お母様からの御司令がきた。
とりあえず足元に落ちている物をパパッと片付け、机の上を整理して一息ついた。
残すは押入れ。
ノブに手をかけた。
覚悟を決めてバッとひと思いに開けた。
ガラガラと音を立てて沢山のガラクタたちが飛び出てきた。あちゃー、こりゃ大変だ。
卒業アルバムやサッカーボール、小学校の頃遊んでたゲームや遊戯王、デュエマなどのカード達、小中高の教科書、その他着れなくなった服やゴミなんかがごちゃ混ぜに詰め込まれていた。
とりあえず要るものと要らないものに分ける作業から始めた。
お気に入りだったけどサイズ的に無理なシャツ、これは要らない。
小中高の卒業アルバム。たまに見返すから要る要る。
大好きだったアニメのポスター。置いてても仕方がない。要らない。
カードゲーム達。もう対戦する相手もいないし捨てちゃ、一生懸命集めたからやっぱ要る。
みたいな感じであーだこーだと1人で考えていた。
すると1枚の紙切れが高校の教科書の山からはみ出していた。
なんだこりゃ?
ひょいと抜き取り見てみた。
18歳の僕から、将来の自分への手紙だった。
そこには、周りの環境や将来への不安、思春期ならではの不安定な情緒に押しつぶされそうな18歳の少年の思いが込められていた。
あまり恥ずかしくて内容は言えないが、
・部活
・勉強
・恋愛
・進路
などなど高校生にありがちな悩みが長々と小っ恥ずかしい背伸びした文章で書かれていた。
誰かに見られたらどうすんだこれ、と数年前の自分に突っ込んだ。
最後にはこう書かれていた。
あなたは今、居場所がありますか。
あなたは今、幸せですか。
いつの時代も僕という人間は怯えているんだなと思った。
そして振り返ればいつだって周りには素晴らしい居場所があった。
もちろん辛いこともあったけど、今こうして昔と変わらず小っ恥ずかしい文章を書いて生きている。
18歳の自分よ。
僕には今、居場所があります。
僕は今幸せです。
そして君も、居場所があって、幸せです。
そう心の中で呟いた。
それから要るものとして置いておいた物たちを片っ端から見直し、思い出に浸っていた。
ああ、戻れるのならば戻ってみたいなんてありきたりな妄想を膨らます。
どんどんどんどん思い出に浸って。。。。
気が付けば掃除を始めた時より部屋は散らかった。なんてこった。
ああ、僕は部屋が汚い。