夜更かしに珈琲を一杯

寝れない夜のお供に

ハグリッドと友達になった話

英語の授業が退屈である。

 

中高での基礎文法等の勉強はまだよかった。

これから使う使わないにしろ英語っていうものは

主語と動詞でできていて、そこに目的語であったりが入ってくるんだよ、という基礎の部分。

 

しかし大学に入ってからの英語の授業は自分にとって退屈である。

どこかの誰かの日常を切り取ったような英文を読んで、はいじゃあ日本語訳して見ましょう。

 

この先の人生でこんな状況こないだろうしこれ覚えたってしゃあないんじゃ。。。

 

なんてひねくれてます。

しかし単位は欲しいので授業に出ます。

 

そしてこの英語の授業の何が嫌って、1人なのだ。

 

友達がいない。

 

退屈だなぁと思ってもそれを共有するこれからともできず、ただぼーっと授業を過ごす。

 

とある日の授業のこと。

 

ひとりぼっちの僕にとって1番きつい時間。

ペアでの音読練習である。

 

周りの人は仲のいい友達と一緒に授業に来ているようで、すぐにペアを作る。

 

そして僕は余って全然知らない人と。

人見知りの僕からするともう苦行である。

 

あぁ今日も始まると思いながらうなだれていると、

自分の前の人がお休みだった。

いつもはその人か、隣の人とペアになる。

そして隣の人はペアがすでにいた。

 

おや、今日は誰とペアになるんだ?

先生も取り残された僕に気づいて、

「あら、余ってしまいましたねぇ。

    あ、前のあの子と一緒にやって下さい!」

 

その日の僕の相手(partner)は、前の前の人だった。

 

後ろ姿はとても大きい背中をしていて、

表現するなら、クマだ。

 

先生がその人に僕と組むよう行って、立ち上がってこちらに向かってきた。

 

あごひげを蓄え、どっしりとした体格。

まるでハリーポッターのハグリッドよう。

 

僕「お願いします」

 

ハグリッド「おー、よろしく!いやぁこの授業面倒だよね」

 

なかなか朗らかな人である。

喋り方や振る舞いでそう感じた。

そしてきっと同い年ではない。

ここ授業は色んな学年の人が履修する。

きっと先輩なのだろう。

 

僕「ほんと退屈ですよね。。。」

 

ハ「面倒だしなんか喋ってようぜ」

 

僕「いいですね」

 

ハ「そんな硬くならなくていいよ〜笑」

 

僕「いえいえそんなことないですよ。ただ上回生の方かなと思ったので、」

 

ハ「あー、俺今5年生!」

 

予想していなかったである。

おお、この人5年目の猛者だったのか。

留年、いやもしかしたら留学とかをしてたから一年学校を休んでいて、実質5年目の人なのかもしれない。

 

僕「まじですか!どういう経緯で5年生に、、、?」

 

ハ「世に言う留年、ってやつだねぇ笑」

 

なるほど。

なるほどなるほど。

留年をすると人はこれほど貫禄が出るのか。

もう社会に一揉みされてきて退職したサラリーマンかのような雰囲気を出している。

 

話をまとめるとこう。

 

1、2年の時遊び呆けていて、気がつけば単位が足らず、どうにか巻き返そうとしたが、4年生の前期の時点で留年が確定し、そこまできたら学校を辞めるのも勿体無いと思い、一年留年する運びとなったらしい。

 

留年するくらいならとっとと辞めて専門学校でも行けばよかったと笑っているハグリッド。

見た目と比例して言葉の重みがある。

 

ハ「留年するってなって、

        就活が伸びたから夏休みすごい暇でさぁ。

        1人で旅に出てたんだ。」

 

僕「ほう。

       自分さがしの旅みたいですね。

       どちらに行かれてたんですか?」

 

ハ「福岡に。」

 

僕「あー、いいですね福岡」

 

ハ「うん!すごいよかった!

       いろんなもの見れたし最高だったね。」

 

僕「そんなに良かったんですね。。

       何かその旅で得たものとかってありました?」

 

ハ「福岡ラーメンが旨かった。」

 

僕「え?」

 

ハ「ひたすらに福岡ラーメンが旨かった。」

 

僕「、、、」

 

人を見た目で判断してはいけない、とよく言いますが、彼は見た目通り食いしん坊のハグリッドでした。

 

そんなハグリッドと友達になり、少し英語の授業へ行きたくなるようになりました。

 

Thanks Hagrid :)