夜更かしに珈琲を一杯

寝れない夜のお供に

飲んでりゃ好きになるもんだ

晦日に半袖で花火を見てきた。

帰国まで早二カ月と少し。インドアな僕とはいえどできる限り海外らしいことをしたい。海外で年越しといえば花火。カウントダウンをしながら年を越してきた。

 

日本にいた頃なら、友人や家族と飲んだくれながら年を越した後、意識が朦朧とした状態で初詣に行くというルーティーンをこなすのだが、180度違った2018年の年越し。まず寒くないというのはなんとも年越し感がない。年越しそばなんか暑くて体が求めてない。危うく年越し冷やし中華始めるところだった。そしてオーストラリアは路上での飲酒が禁止されているため、お酒もなし。寺や神社もないため初詣もなし。RADWIMPSに言わせたら夏休みのない8月のようだ。

 

逆に、日本の年越しにはない盛大な花火が上がった。

日本の冬でやったら火事でも起こるような勢いで花火が上がった。

 

せっかくだからとカメラを持ち出し、そのすごい花火を記録に残そうと思ったのだが、充電するのもSDカードを入れるのも忘れてしまった。ただの2kgほどの塊と化した。ということで花火をしっかりと肉眼に納めた。海外だからなのか、日本のようにスマホを向けまくる花火ではなく、割と多くの人が目で花火を楽しんでいた。打ちあがる花火をともに、頭の中で思い出を振り返った。なんとも長い一年だった。成人式や大学2年後期なんか全く覚えていない。オーストラリアでの生活が濃すぎた。

 

花火が胸にどしんと響く。

そうそう。この体の芯にまで響く大きな音。花火って昔から大好きなんよなぁ。

 

ちょっと待てよ。昔は花火が大嫌いだったはずだった。

両親に連れられて地元の花火大会へ行ったとき、大きな音が怖くてずっと耳をふさいで泣いていた。父が良かれと思って肩車してくれたけど、高所も嫌いでしっかり捕まりたいのに、耳もふさぎたいのにどうしようもなかったのを思い出した。

 

そんなことを思い出していると、さつまいも式にいろいろ浮かんできた。

今、大好きなコーヒーも、昔は全く飲めなかった。

ジュース大好きな僕からすれば、何を好き好んで苦い液体を飲むのか理解できなかったのだが、ある日、仲のいい友達が自販機でUCCのミルクコーヒーを飲みながら「これがうめぇんだよ、、、」と腰に手を当てたいわゆるジャパニーズ風呂AGARIスタイルを見せつけられた。自分に出来ないことをこうもカッコよくされたら、私という人間は憧れてしまう。その日からおこずかいに余裕があればこっそり自動販売機でミルクコーヒーを飲んだ。

飲むたびになんだこのクソみてぇな飲み物...と失った120円を後悔していた。

しかし、わかる人もいると思うが、気がついたら難なく飲めるようになっていた。飲んでるうちに身体が慣れていったのかしら。今じゃ飲まないと身体が震えだすような勢い。西野カナに言わせたら飲みたくて飲みたくて震える。

 

ビールとかも飲んでるうちに好きになるじゃん。

僕は苦手だけど。

 

 

このオーストラリアで、なにか好きになったものはあるかなぁ、と頭を探ってみた。漠然としていたから気づかなかったが、英語が好きになったではないか。

 

 

まだ大好きとまではいかないが、好きにはなった。と思う。

 

もともと色んな言い訳つけてオーストラリアに飛び出して来たから、英語も海外も特別興味があったわけではない。そういうガバガバな決意できたが故に、来た当初は本当に辛かった。英語が全く聴き取れないし、せめて喋りで誤魔化そうと思っても、話せも出来ない。どうにか振り絞って英語を話しても返事の英語が聴き取れない。

とにかく自分に自信が無くなって、最初の2ヶ月は友達が一人も出来なかった。

 

 

 

そんな当初に比べると、友達も出来たし、最低限生きていけるだけの英語は分かるようになった。それらを作ってくれたのは、人の縁とコーヒーとカメラ。英語なんかぜってー無理。今すぐに帰りたい。

朝起きたら家のベッドで悪い夢でしたっていうオチを何度も期待した。待っているのはただただ現実。

バリスタになってよかったなぁ。不器用な自分に出来るかなって不安だったけど、MOROHAに言わせたら向き不向きより好きを信じてたってかんじ。

 

 

自分の好きなものがもっと好きになったし、自分の課題が分かったし、この留学は僕にとって社交性&英語入門キットのようなものだったのかもしれない。

 

 

残る2ヶ月で自分は何が出来るだろう。何をすべきだろう。もう一つ大きく自分が変わったと思えるのは、他人からの評価を気にしなくなった。無理によく見られようという考えは捨てた。

 

うまいコーヒー飲んで、好きな写真撮って、友達と楽しく過ごす時間を存分に楽しもう。

 

 

俺に言わせたら、最高のコーヒーライフってやつ。